ドラえもんを通して気づいたこと ~若者が将来への希望を持つためにどうするべきか~
「サブカルチャー(サブカル)」と聞いて、あなたはどのような印象を受けるだろうか?
マンガ、アニメ、特撮(ヒーロー系)、少しニッチな作品やを思い浮かべる人もいるかもしれない。若者世代が選ぶサブカルは多岐にわたる。
筆者は、「学生部」と呼ばれる創価学会員の学生たちが集まる組織で活動をしている。学生部員が最初に互いのことを知っていく上で、共通の趣味などが大切になる。そこで一緒に活動する仲間とよく話すのは、もっぱらマンガやアニメといったサブカルの話題だ。学生部サブカルにあまり興味がない人でも、よく話を聞いてくれる人が多い。本当に居心地の良い場所だと感じる。
大学で初対面の人と話す場合も、トピックがサブカルだとすぐに打ち解け合える。自分のことについては話しにくい人も、マンガやアニメの話になると目を輝かせて話に便乗してくる人もしばしば見かける。同じマンガ作品を読んでいたというだけで意気投合し、その後、人生において深いつながりを持つ間柄になることだってある。
なぜ、サブカルは若者の心を掴むのか
では、なぜサブカルは若者の心を掴んで離さないのだろうか、少し考えてみた。それはサブカルでよく表現される「困難があっても、主人公が希望を持って、夢や目標に向かって懸命に行動する姿」に感動するからだと感じる。新聞やテレビのニュースを見れば、社会には暗い話題や複雑な社会課題が多い。希望を持ちづらい中だからこそ、若者世代が向上心を持って前進するためには、未来への希望をどう見出していくかが大事になるのでないだろうか。
例えば、小さい頃から私がテレビで見ていた「ドラえもん」。ドラえもんでは、子どもが憧れる、夢と希望があふれたものが多く登場する。「どこでもドア」や「タイムマシン」といった未来のひみつ道具は、「自由にどこへでも行きたい」「過去や未来を旅してみたい」といった願望を叶えることができる。
幼少期の頃、私はその魅力に夢中になり、「『ひみつ道具』のようなものを、実際につくってみたい!」と思い、アインシュタインの相対性理論を学んでみたことがあった(難しすぎて挫折しましたが・・・)。「未来の世界は面白い!」「自分の夢が実現するかもしれない」という高揚感を「ドラえもん」は私に与えてくれたのだ。
このようにサブカルチャーは「未来の夢を描く力」を私たちに与えてくれる。だからこそ、私たちは心を動かされるのだろう。私にとって「ドラえもん」が「夢を描く力」を与えてくれたように、誰もが自分にとって未来への希望を抱かせるサブカルチャーに出合うことができるのではないだろうか。
若者が未来への希望を持てるように
サブカルチャーのような文化や芸術だけではない。教育や哲学、宗教を通して、社会課題が多い現実の只中で、若者が未来への希望を持てるようにしていくことが重要となろう。
創価学会の活動の中では、自分の困難な状況を乗り越えた信仰体験を聞くことが多いが、そのようなストーリーは未来への希望を与えてくれる。自分も頑張ろう!という気持ちにしてくれる創価学会の会合や雰囲気は、今の世の中だからこそ、より必要になると感じる。
信心を研鑽する中で学んだ「変毒為薬」という言葉がある。「毒を変じて薬と為す」と読み下し、妙法の力によって、苦悩に支配された生命を仏の生命へと転換することである。どんな悩みや不安なことがあっても、必ず乗り越えられると語りかけるのが、仏法の希望の哲学である。
しかし「こうなったらいいな」という世界は自動的にやってくるのではない。私たちの努力次第で叶えていくしかないのだ。
学生部の先輩からよく、「信心は“決めて、祈って、行動する”ことだ!」と言われた。その通り行動する中で、自身の可能性をひらくことができると実感した。自身の可能性に限界を決めず、どこまでもなりたい自分になれる信心であると感じる。