“エンターテイナー”な私。今の仕事が向いてないと言われまして

流行りの性格診断やってみた

皆さんは今、流行りの「16タイプ性格診断」や「MBTI」ってご存じですか? これらは心理学の理論に基づいて、人の性格を16タイプに分類する性格検査です。日本では、海外アイドルやインフルエンサーが、ファンとのコミュニケーションの中で話題にしたことをきっかけに浸透してきました。

比較的、最近生まれた「16personalities」は、Web上で、無料で受けられる手軽さから、特に日本の若者の間で流行しています。生活に関わる様々な質問に答えると、4つのアルファベットの組み合わせと「主人公」や「冒険家」などのキャラクターで診断してくれます。その診断結果をもとに、人との相性や、向いている仕事、恋愛の傾向などを分析することができます。

私も流行にのってやってみたところ、診断の結果は・・・・・・「ESFP(エンターテイナー)」。 マラカスを持って踊っているキャラクターが出てきました。「何かにワクワクすると夢中になり、他の皆ともその感覚を共有したいと思う」「周りの人を励ますためには時間と労力を惜しまず、人々を巻き込んでいくのがものすごく得意」なタイプとあります。このような性格を活かすのに適した仕事は、直接人と関わる仕事やクリエイティブな仕事とありました。

そう言われてみると、たしかに、学生時代は遊びといったらカラオケ。みんなとワイワイ集まることが大好きでした。接客のアルバイトをやっていた時は、お客様との何気ないコミュニケーションや、バイト仲間との励まし合いが、仕事のやりがいを高めてくれるのを感じていました。

反対に、性格的に不向きとされる仕事は、「単調な仕事」や「数字やデータを扱う仕事」・・・・・・! ここまで読んで、「ほんとそれ!」と声が出そうなくらい納得してしまいました。その時、私が直面していた悩みを言い当てられたかのように、大変、説得力ある診断結果だったのです。

仕事における「適材適所」の難しさ

今、日本社会は少子高齢化が進み、人材不足と言われます。企業は、能力や素質があり、かつ企業文化にもマッチする人材を獲得するために様々な努力をしています。それこそ、採用に性格診断を活用する企業もあるとか。

一方、働く側にとっては、終身雇用の意識は既に薄れ、転職や異動を希望することは珍しくありません。総務省によると、日本国内の就業者のうち転職者は325万人と、1年前に比べ12万人増加(6期連続増加)しているとのデータもあります。(2023年12月時点)

とはいえ、実際に働いてみなければ仕事や働く環境と自分が合うかわからないというのが現実だと思います。「適材適所」の難しさは、企業も働く側も、誰もが実感している課題ではないでしょうか。

「ESFP(エンターテイナー)」(16personalitiesの診断に基づく)が向いていない仕事

さて、私、実は“エンターテイナー”がまさに苦手とする「数字やデータを扱う仕事」をしています。数字を追い、電卓をたたく日々。たった一桁見間違えれば大きな事故につながると思うと、最初は緊張でいっぱいでした。しかし次第に慣れてくると、正直「つまらない」「自分に合ってないな」と退屈し始めました。一人で黙々と計算している自分と違って、楽しそうに議論しながら仕事をする他部署の人たちを、うらやんでいました。

なんとかモチベーションを上げようと、便利な文房具を買ってみたり(もう使っていない)、ネイルをしてみたり、色々試しましたが、心の根っこは後ろ向きのままでした。
上記の性格診断をやってみたのは、ちょうど異動希望を出そうか悩んでいた頃。仕事内容と自分がマッチしていないと漠然と思っていたことが、診断結果にも明確に表れ、「やっぱり私は異動した方が良いんだ!」と納得しました。

自分に問う。「これで良いの?」

ただ一方で。納得はしたのですが・・・・・・、なんでしょう。ここに来て、なぜか悔しくなってきました。「自分はこの仕事に向いていない」ということを、性格診断に決めつけられたことに、だんだん腹が立ってきたんです。「簡単に受けられるテストで自分の方向性を決めてしまうのは違うのでは?」なんて、異動すると決めた自分とは真逆の考えが生まれました。私の中の学会っ子魂に火がつきました。「誰にだって無限の可能性があるって信じてきたじゃない?」

今までも仕事の悩みについて祈り、向き合ってきたつもりです。しかし、異動するかどうか、もう一度真剣に自分で考えて決めようと心が変わりました。そんな私に学会の先輩が、池田先生が新社会人に送ったというメッセージを教えてくれました。


「たとえ、自分に不向きだと思った仕事でも、一つ一つ、無我夢中でやり遂げていく中で、自分でも気づかなかった秘められた天分が見つかることがある。」(『若き君へ-新時代の主役に語る 新社会人に贈る』)

そこには池田先生が青年時代、会社勤めをしていた時、経験したことのない畑違いの業務を任され、苦労されたことが綴られていました。「不向きなことがあってもいいんだ」と自分を肯定されたようで安心しました。

池田先生の言葉に背中を押され、「自分でも気づかなかった秘められた天分」を見つけるぞという期待感で御本尊に祈り始めました。

最初は「そうは言っても数字ちょー苦手なんですけど!」と自分の本音や感情を御本尊にぶつけるように祈っていきました。祈りながら、漠然と苦手に感じていたことを客観的に整理し、苦手な理由を考えていきました。例えば、日付や数字などの細かいチェックを雑に行うことでミスに繋がり、苦手だと思い込んでいたことに気がつきました。また、マニュアルに沿って淡々と計算していたことで退屈に感じていましたが、「なぜその計算になるのか」「この数字になることでどんな影響があるのか」と背景や影響を考えることに面白さを見いだすなど、新鮮な気づきが増えていきました。苦手の中から面白さを発見できたのは、“エンターテイナー”の強みを発揮できたのかもしれません。

このように、苦手を克服するためにはどうすれば良いのか考え、1日の目標としてスマホのメモにリストアップ。「チェック作業を今までより丁寧にしてミスをなくそう」「今日は○○の資料を読んで業務の理解を深めよう」と毎日達成できるように祈りました。

それを日々続けていくとだんだん「今やっている仕事って将来のために身につけておいた方が得なのでは?」と思えてきて、気づいたらSNSで仕事に関することを調べていたり、資格の本を買ったりしていました。以前は休日に仕事のことを考えることすら嫌だったのに! 仕事のモチベーションが上がってきたことに、自分でもびっくりしました。

“エンターテイナー”なりに、がんばってみようかな

今でも苦手意識はあります。克服できた!というオチじゃなくてすみません(笑)それでも、仕事に積極的に取り組めるようになったのは自分にとってはとても大きな一歩です。性格診断は、自分がどういう人間なのかを手軽に判定してくれますが、診断結果に左右されすぎないことも大切なのかもしれません。

日蓮仏法の信仰は、自分と向き合い、難しい課題に挑戦する勇気と智慧をくれます。自身の可能性を広げていける素敵な生き方だと思います。

“エンターテイナー”は「ワクワクするような新しいこと」を好むそう。池田先生の言葉にあった「秘められた天分」をいつか見つけることができるかも?!とワクワクしながら、これからも頑張ります!

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