マスコミが語らない世界の創価学会事情

池田大作先生のご逝去の報からはや1ヶ月――。

瞬く間に時間が過ぎ、この間、創価学会葬に参列し、全国男子部幹部会にも参加した。深い悲しみと、今でも信じられないという思いが消えることはないが、これまで会合で語り合ってきた同志、全国男子部幹部会で共に出発した仲間たち、そして聖教新聞で報じられている世界各国の青年リーダーの姿に、世界平和への池田先生のご構想を、私たちがいよいよ継承して、実現しなければならないと、誓いを新たにする日々である。

11月18日、私はオーストラリアに出張している際に、池田先生の訃報に接した。

翌日、現地のSGI(創価学会インタナショナル)メンバーと話す機会があったが、“池田先生が創価学会を世界に広げてくださったおかげで、今、自分は本当の幸福は何かを深く噛み締めることができる。先生の遺志を継いで、創価学会を守っていきたい”と、涙を決意に変えながら語る姿が、今でも脳裏に焼き付いている。

日本の宗教人に誰もできなかったこと

95年間のご生涯で成し遂げられた池田先生のご業績は、とても語り尽くせない。

だが、私が心の底から敬服し、感動するのは、池田先生がいらっしゃらなければ、世界中でこれほど多くの人が、大乗仏教の精髄である法華経を読誦し、そしてその眼目たる南無妙法蓮華経を唱え実践している時代は、決して訪れなかったであろうということである。この点だけとっても、これほど偉大な方はいらっしゃらないと断言できる。

毎日新聞のインタビューで作家の佐藤優氏が、「池田大作氏の歴史的業績は日蓮仏法を継承する日本の宗教団体である創価学会を世界宗教に発展させたことだ。これは過去に日本の宗教人の誰もできなかったことだ」と語っていたが、まさにその通りである。

私は大学時代をアメリカで過ごし、就職してからも海外出張が多かったため、これまで多くの国でSGIメンバーと出会ってきた。192カ国・地域に、300万に迫る創価学会員がいる。日本のマスコミはほとんどこの点に触れないが、これは否定しようのない、厳然たる事実である。これほど多くの人々が、世界中で南無妙法蓮華経を唱える時代は、人類史上これまでなかった。

しかも、それぞれの国で、仏教を代表する団体として、深く社会に根ざしている。私が仕事でよく訪れるヨーロッパもそうだ。

各国を代表する仏教団体として

イギリスでは、現地SGIの理事長が、200万人以上が聴くBBCラジオの朝の番組に100回近く出演し、日蓮仏法の哲学について語っていたし、スペイン創価学会の理事長は、同国仏教連盟の会長を務めていた。イタリア創価学会は、社会的に影響力があると認められ、国家と宗教協約を結んでいるし、ドイツでは今年、公法社団法人に認可された。

フランスでかつて、セクトのリストに載ったことだけを執拗に言い張る人たちがいるが、そのリストは国内外から激しく批判され、既に首相が「使ってはならない」と宣言している。国会報告書は、「創価学会は、その教義においても、事実関係においても、いかなるセクト的逸脱に該当する行為は存在しない」と断言。フランスSGIは典礼法人として正式に認められている。

ヨーロッパ以外にも、北中南米、アジア、アフリカ、オセアニアと、創価学会が各国で社会貢献の団体として広く認識されていることには一切目を向けず、一部の国で「かつてこう批判されていた」とばかり声高に叫ぶのは(しかも今はそうではないのに)、まさに「批判のための批判」であり、現状認識能力の欠如としか言いようがない。

だが、日本のマスコミが何を報じ、宗教学者が何を語り、週刊誌がどんな嘘を重ねようとも、畢竟、取るに足りないことだと思う。世界中で、この仏法を実践して、悩みを乗り越えている人々がいる。その事実は、決して変わることはないからだ。世界の人々からすれば、日本の低レベルで現状認識に欠けた、人権意識も宗教リテラシーもない言説など、むしろ蔑みの対象でしかないはずだ。

高い山は近くから見えない

池田先生ご逝去のニュースが流れた後、これまで先生や学会のことに関して嘘ばかりを書き立て、裁判で負け続けた週刊誌が、よほど悔しいからか、はたまた、ただ売らんがためだけか、ここぞとばかりに低劣な記事を出し続けている。取材先は、同じくこれまで裁判で負けてきた、憶測ばかりでコメントする自称ジャーナリストなど、いつもと同じ面々だ。

それは、各国各界の指導者から多くの弔意が寄せられた池田先生が、どれだけ巨大な存在であったかということの裏返しでもある。世界史の偉人たちが生前、国内では下劣な批判の対象になってきたのは、歴史の常であった。モスクワ大学の総長が、同大学で初めてとなる、名誉博士号に続く名誉教授称号を、池田先生に授与するために来日した際、こう語っていたという。

「高い山も、近くからは見えない。遠くからは、よく見える。同じように、偉大な人物は、自分の国では正しく評価されないものです。むしろ他の国々が、世界が、その人を賞讃するでしょう」

池田先生の偉大さは、歴史が必ず証明する。いや、そうした時代を、弟子の私たちの手で必ずつくる。その道はただ一つ。自他共の幸福のため、社会の繁栄のために、これまで以上に不撓不屈の精神で、世界広宣流布を加速させていくことである。

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