私がパパサークルに取り組む理由
今から6年前、第1子となる長女が誕生した。父親になった喜びと共に、初めての子育ては、まさに手探りの日々だった。
そんな中、妻から児童館で見つけたと、地域のパパサークルのチラシを手渡された。
パパサークルとの出会い
はじめは、「もっと父親としての意識を持て」という妻からの暗黙のメッセージかと勘繰りながらも、他の家庭のパパの話を聞いてみたいという興味からイベントに参加した。
地域の公共施設の和室に数組のパパと子どものペアが集まり、地域の公園、子連れで入りやすい飲食店についての情報交換や、子育てに関する悩みについて語り合う。子どもが周りで走り回りながらのトークだが、日ごろ話すことのできないパパとしての率直な思いを語らう場は、私にとって貴重な時間になった。
それから定期的にそのパパサークルのイベントに参加するようになり、やがてスタッフとして主体的に関わり始め、今ではサークルの代表的な立場でイベントの企画・運営を担っている。
パパも大変
2022年10月には育児・介護休業法の改正により、「産後パパ育休」など男性の育児休業、育児参加を促すための法制度が整備された。
現実にイベントに参加するパパの中にも育児休業を取得しているという人の割合が増えてきたように感じる。
女性の育休も同様だが、育休期間が長期になるほど、仕事に戻れるのだろうかという不安もある。働き方改革が叫ばれているとはいえ、いまだ子育てと仕事を両立できる職場の環境も、風土も整っていないこともままある。
パパも仕事と育児の両立に悩んだり、葛藤したりする。そうした思いを妻と共有できればいいが、妻の方が何百倍も大変と思っているが故に、溜め込んでしまう人も少なくない。
そんなパパにとって、少しでも本音を漏らすことができ、「意外とみんな同じようなことで悩んでいるんだな」と安心してもらうことが、地域のパパコミュニティの役割だと考えている。
育休を取得しどっぷり子育てに関わりながらも不安を抱えているパパには、「嫌でも子どもは親離れする時が来る。子どもの日々の成長を間近で見られる、パパとしての貴重な期間を楽しもう」と伝えている。
一人で悩むパパの力に
我が家は、パパサークルに参加し始めた当時は長女1人だったが、今は3姉妹となった。
寝る瞬間まで3人の子どもたちの叫び声が飛び交うカオスな毎日。その上、私は創価学会で地域の男子部のリーダーも務めている。
仕事から帰ってきたら、子どもをお風呂に入れ、ごはんを食べさせ、皿洗い。できれば子どもの歯磨きをして寝る体制まで整えてから、地域の男子部のメンバーのもとを訪問し、激励しに行く。それが我が家の日常の光景だ。
正直に言って、毎日大変だ。疲れ果てることもある。
自分の家庭のことでさえ、なんとかギリギリでやっているのに、創価学会の活動もしている。そんな私が地域でパパサークルの活動に取り組むのには理由がある。
長女が生まれてまもない頃、泣き出すと、私が抱っこしても、ミルクをあげても、泣き止まない。結局、落ち着かせるには妻に頼るしかないという日々が続いた。父親として自分に何ができるのかと無力感を感じていることを、ふと創価学会の男子部の先輩に漏らしたことがあった。先輩パパでもあるその人は、「うまくいかなくても、ママにとってはパパが一緒に子育てしているっていうだけで、力になるんじゃないかな」と声をかけてくれた。その一言で気持ちが軽くなり、自分の子育てに対する姿勢は変わったと思う。
創価学会には、信仰という枠を超えて、他人の人生も本気になって考え、支えてくれる存在が無数にいる。
地域の壮年部・女性部の方々も我が家の3姉妹を自分の娘、孫のようにかわいがり、成長を喜んでくれている。
子育てに孤独を感じている人も多い中で、自分自身は本当に恵まれていると思う。
だからこそ、地域の中で、一人で子育てに悩んでいるパパがいたとしたら話を聞いて、悩みを共有したい。その思いから、今もパパサークルの活動を続けている。
悩んだ分だけ人の心がわかる
創価学会の池田大作名誉会長は、青年に次のようにメッセージを送っている。
若き日の労苦は全て、自分自身を鍛える財産となる。悩んだ分だけ、人の心がわかり、手を差し伸べられる人間となる。
ゆえに、「後退ではなく前進」「逡巡ではなく挑戦」を貫いたと胸を張れる、有意義な日々を送っていただきたいのであります。(2011年8月10日 アメリカ創価大学 11期生新入生歓迎レセプション メッセージ)
信仰に励む創価学会員にとっては、自身の悩みは成長へのチャンスであり、同じ悩みに直面した友に光を灯すための挑戦である。
悲哀から希望へ――創価学会のあらゆる励ましの活動も、「自分が悩んだからこそ悩める友の力になりたい」という心が、その根幹にある。
創価学会の励ましの輪を地域に広げる
パパサークルのイベントは、パパと子どもが一緒に楽しめる企画とともに、パパ同士のコミュニケーションを重視している。
公共施設でパパ同士が語り合ったり、コロナ禍に入ってからはオンラインミーティングを活用したり、屋外の公園で遊びながらのトークイベントも開催したりしている。
シンプルな内容だが、毎回数組の親子が参加し、予定していた約1時間があっという間に感じるほど盛り上がる。参加したパパが笑顔になって帰る姿を見ることが私のやりがいだ。
創価学会では、月1回開催される地域の「座談会」や、男子部の部活など、小単位の集いを重視している。創価学会でのこうした場を盛り上げる経験を積み重ねてきたおかげで、主催しているパパとのトークイベントはありがたくも毎回好評の声をいただいているのだとつくづく感じる。
「話に耳を傾ける」「共感する」「あたたかな言葉を届ける」――この創価学会の中に息づく「励まし」の輪を、地域に、社会に広げるため、これからも地域のパパを笑顔にする活動を続けていきたい。
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— soka youth media(公式) (@YouthSoka) November 7, 2022
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