「住民票移動」云々について

創価学会が支持する公明党の選挙戦に関連して、同党が得票を増やせるよう、学会が組織的に会員の住民票を他地域から特定地域に移動させ、投票させているという作り話です。公明党の党勢拡大を嫌う国会議員が国会の場で吹聴するなどし、マスコミなどによっても拡散されてきました。しかし、このデマを取り上げた大臣・議員やマスコミは、結局、ことごとく謝罪・撤回しています。

例えば、翌年に総選挙があると目されていた1968年(昭和43年)9月14日付の夕刊紙に、当時の自治大臣だった赤沢正道氏が「移籍して選挙権を得るというやり方」などと記事を掲載。しかし、これがまったく根拠のない情報で、当時、東京都の選挙管理委員会も「事実なら当選無効の訴訟が出ているはずだが、一度もない」「何万人という票が集団移転で動けば、すぐにわかってしまう」とコメントを発表しました。

後に赤沢氏は、「根拠は何もない。恐縮している。今後、根拠のない発言は慎む」と明確に謝罪しました。

また、東京都議選、衆院選と大型選挙が続いた1993年(平成5年)夏には、衆院選投票日から2日後の7月20日付「朝日新聞(徳島版)」に「徳島県内の創価学会員の住民票が、東京都議選のために大量に移動されている」という記事が掲載されました。学会からの厳重な抗議に対し、翌日付で、「本社が県内の選管に取材したところ、うわさのような事実はありませんでした。十分な裏付け取材をせず、掲載したことで、関係者並びに読者にご迷惑をおかけしました。おわびします」という内容の「おわび記事」を掲載したのです。

さらに2008年には、住民票移動云々の悪質なデマ発言を繰り返していた国会議員に対し、名誉毀損罪で30万円の罰金が科せられるという厳しい刑事罰が下っています。この低劣極まるデマを騒ぐことが「犯罪」であるとして明確に裁かれたのです。

<参考資料>「住⺠票移動」云々について

 学会の「住⺠票移動」をめぐるデマの歴史

① 1964年(昭和39年)代議士が暴言→ウソを認め、発言を撤回
前年の63年、統一地方選挙で公明政治連盟(公明党の前身)が大躍進。64年11月には、公明党が結党している。 64年4月8日の国会で、社会党代議士の島上善五郎氏が「創価学会が集団的に移動をして、それもこの法律にある住所の要件を満たしていない、形だけの移動をして、アパートの一部屋に、極端なのは百人も二百人も移動した」と放言。その後、“集団移動の事実は、つかんでいなかった”と、誤りを認めて発言を撤回した。

② 1968年(昭和43年)大臣が暴言→ “根拠は何もない”と謝罪
当時の自治大臣だった赤沢正道氏は、68年9月14日付の夕刊紙で「公明党は選挙政党で、例えば会員が移籍して選挙権を得るというやり方など、事務当局に検討させているがなかなかチェックできないむつかしい問題だ」と、事実無根のデマを掲載。 前年の67年に公明党が初めて衆議院に進出。69年には衆院47議席にまで躍進するという時代背景の中でのデマ報道。現職の大臣でありながら、「根拠は何もない。恐縮している。今後、根拠のない発言は慎む」と明確に謝罪した。

③ 1983年(昭和58年)代議士が暴言→総理“集団移動をやる訳がない”と明言
83年12月に⾏われた衆議院選挙の最中、自⺠党の代議士である島村宜伸氏が“公明党に投票させるため、住⺠票の集団移動が⾏われている”と中傷発言。即座に抗議した公明党に対し、島村氏は“無責任な言動だった”と謝罪した。翌年4月、このデマが問題視された国会で、当時の総理大臣であった中曽根康弘氏が、「公明党が、いやしくも、そのような不正⾏為、選挙目当ての集団移動をやるとは思っていない」と明確に述べた。 

④ 1993年(平成5年)朝日新聞が掲載→調査の結果“ウソ”と謝罪
93年6月、公明党は東京都議選で全員当選を果たし、翌月には総選挙が⾏われた。その投票日2日後、「朝日新聞」(7月20日付徳島版)が「徳島県内の創価学会員の住⺠票が、東京都議選のために大量に移動されている」というデマを記載。翌日付で、「本社が県内の選管に取材したところ、うわさのような事実はありませんでした。十分な裏付け取材をせず、掲載したことで、関係者並びに読者にご迷惑をおかけしました。おわびします」という内容の「おわび」記事を掲載した。

⑤ 2003年(平成15年)地方議員が暴言→“迷惑かけた”とお詫び
4月、鹿児島の地方議員が騒いだが、発言した議員が所属する党の県連が公式に謝罪した。

⑥ 2003年(平成15年)経済誌が掲載→“記述を削除する”と謝罪
6月には、経済誌が同様のデマを書いたが、後日「訂正とお詫び」を掲載。デマ記事を削除して謝罪した。

⑦ 2003年(平成15年)    タレントがウソの演説→“おわび申し上げたい”と陳謝
11月、ある男性タレントが“東京の世⽥谷区から足⽴区へ千人単位の住⺠票移動がある”などと選挙応援の演説で語った。後に、タレントは「迷惑をかけて申し訳ない。おわび申し上げたい」と陳謝した。 

⑧ 2005年(平成17年)    代議士が暴言→“学会員を傷付けたことは残念”と釈明
05年7月、公明党は都議選で全員当選を果たした。その直後、当時、⺠主党代議士だった永⽥寿康氏が、国会で「公明党の支持団体の方々の住⺠票が東京都に移されている疑念がある」(05年7月8日)と、デタラメ発言。9月に衆院選が控えている最中での暴言だった。学会側から抗議を受けた永⽥氏は「学会員を傷つけたことは非常に残念」と釈明し、⺠主党理事も「大変、遺憾に思う」と謝罪した。しかし、8月28日に地元選挙区内で⾏われた国政報告会で、再び同様のデマを放言。後に、このように繰り返される悪質極まる中傷について、永⽥氏に対して名誉棄損罪で30万円の罰金刑が課されている。